似た者同士

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そんな話を翌日冗談まじりに青君に話してみた。青君は聞いた事もないような笑い話を聞いた幼い子供のように大笑いしていた。「やるやん。昨日知ったらおめでとうって言ってあげたのにな~。」青君は吹きだすように言った。麗はなんだか自分よりも年上の人と話している気持ちになった。チャイムが鳴った。「いけねえ。」突然、青君はどこかに行ってしまった。誰もいなくなった青君のことを気に掛ける様子はなかった。昼休み、また青君がふらっとやってきた。相変わらず色白で背が高く、髪は海のように青く、透けるような肌もエメラルドグリーンのように青く光っていた。どうやら、青君は麗と同じクラスでもなく、同じ学年でもなかったようだ。「違うクラスで授業受けたら注意されないの?」「え?」また麗の言ったことがあまりにも想定外で吹き出しそうな青君だった。くすくす笑う青君のやわらかいうぶげのようなサラサラの髪がツヤツヤと揺れた。麗はもっさりした自分のねこ毛を頭頂部からおさえてしまった。「大丈夫、誰も見てないから。」そう言って、また青君はどこかへふらっと行ってしまった。青君のいなくなった机といすは懐かしい海岸を思いだすような、さわやかな風が一瞬吹いたようだった。麗はもう昨日の誕生日の冷めたミルクコーヒーのような思い出なんて忘れてしまっていた。
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