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みんながわらわらとおしゃべりしているなか、高校から家までの道を1人でうつむきながら歩く。
高校生になって、1年と5カ月、未だに友達はいない。
というか作ろうとも思わない。
けど、寂しく思ってるわけじゃない。だって....
[やっほー(´∀`*)
今話せる??]
うつむいた目線の先にあるスマホに慣れた手つきで文を打つ。
だって、わたしには、スマホが、インターネットがあるから。
インターネットなら、わたしのことを誰も知らない。
だから、気楽に話せる。
ポン
1分も経たないうちにメッセージが送られてくる。
[いーよー!
ちょうど今学校から帰ってたんだー♪(´ε` )]
今は“しずく”ちゃんが一番の話し相手だ。
しずくちゃんとは、1年くらい前にとあるサイトで知り合った。
わたしと同い年でここの近くに住んでいるらしい。
[あー私も帰ってる途中だよー(o^^o)]
しずくちゃんはいつ話しかけても大抵すぐに返してくれる。私の学校と、時制がほぼ一緒の学校に通っているそうだ。
[ところでさ、明日は花の宮駅前の噴水集合だったよね]
そうなのだ。明日、私はしずくちゃんと実際にあって遊ぶ約束をしているのだ。
約1年の付き合いだが、会うのは明日が初めてだ。
ポン
[そそ!もー楽しみー!]
このしずくちゃん、確かに、言動を見る限り、私と同い年の女の子だ。
しかし!
インターネットの世界では、そんなのまったくわからないのだ。
もしかしたら、中年のおじさんかもしれない。
というか、きっとやばい人だ!
私はそいつをめっためたにするために明日会うのだ。
「警察に突き出してやる!ふふっふはは....ごほん。」
周りから変な目線を送られてしまったが、とにもかくにも、明日が楽しみだ。ふふふ。
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