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「うちね、お父さんが一人で私を育ててくれたんだ。」
そのあと、学校をサボってしまったことに気づいたが、学校に行くことは、諦めて街をぶらぶらしながら、はなしをしていた。前を向いてしずかは言う。
「お父さんがお母さんと別れてから、優しかったお父さんは、変わっちゃったんだ。イライラしたら、すぐに私を殴るようになっちゃって。だから、お父さんを怒らせないように、学校では、ずっと本を読んで、おとなしくしてたんだ。けど、つまらなくなっちゃって。インターネット上で友達を探したんだ。それが、あなただったんだ。」
「ごめんね、わたしの勘違いで、朝あんなに言っちゃって。」
「けどね。」
「わたしの話をこんなに聞いてくれたのは、あなたが、初めてだよ。」
「前ね、わたしがお父さんの話を友達にしたらね、秘密にしてって言ったのに、他の子に言っちゃったんだ。その友達。そしたら、あっという間に広がって、同じクラスの男子にすごくからかわれたんだ。すごく悲しかった。」
しずかがわたしの方を向く。
「けど、あなたは聞いてくれた。本当にありがとう。」
その瞳にはうっすら、涙がはってキラキラと光っていた。
「いや、こっちこそ、そんな話をわたしにしてくれてありがとう。」
「これから、わたしの親友になってくれる?」
「うん、もちろん!」
「そういえば、敬語じゃなくなってるね!」
「あ、ほんとだ!!」
わたしたちはお互いの顔を見て、笑いあった。
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