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だから、次の日の朝。私は行動に移した。
だって、私一人がモヤモヤしているだなんてクヤシイじゃない。
彼にもこのモヤモヤを移してやる。
「新田くん、おはよう」
「ああ、はよー。あ、昨日のハンカチ悪い、忘れてきた」
「いいよ、急がなくて。いつでも大丈夫。あ、髪にゴミ付いてるよ。取ってあげるから屈んで」
言われるままに膝を曲げて私の前に頭を突き出す彼。
疑うことを知らない、素直な人。
ゴミが付いてるなんて、実は嘘。
私のようにモヤモヤすればいいと練りに練った計画。
それを現在決行中。
ゴミを取るふりをして、髪の毛をそっと撫でる。
どうだ参ったか。
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