モヤモヤ メランコリー

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振り回されるのに少し疲れて、私は彼に会わないようにするという選択肢を選んだ。 翌朝はバス一本遅くすることにした。 「はよ。今日は遅かったな。もしかして寝坊?」 そう言って笑いながら上靴を靴箱から出してボタボタと落とす新田くん。 会わないようにした筈が、今回は裏目に出たか。 流石に無視は出来かねる。 「……おはよう。新田くんも遅かったね。そっちこそ寝坊でしょう?」 「バカ、ちげーし」 あ……。 躊躇なく、当たり前のような手付き。 彼の指が私の髪をクシャリと撫でてまた去っていく。 「ほら、急ごうぜ。予鈴鳴ってる」 「……う、ん」 私は、一人階段を駆け上る彼の後ろをゆっくりと上っていく。 勘違いしてはいけないから。 吊り橋効果みたいに、階段を上ってドキドキしてるのを彼を好きでドキドキしてると自分の脳みそに思わせたくない。
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