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ゆみこと柱神《はしらがみ》さま
七歳になったばかりのゆみこは、夏休みにママと二人で、岩手県のおじいちゃんとおばあちゃんの家にお泊まりにきていました。
十日ほどたったある夜、ママのおなかが急に痛くなって、おじいちゃんが車で病院へ連れていくことになりました。
「ほんと、たいしたことないのよ。おじいちゃん、おおげさなんだから」
ママのおなかには、十一月に生まれてくる赤ちゃんがいます。
なにかあると取り返しがつきません。
「お昼ごはん、食べ過ぎちゃったかしら」
ママはおどけた口ぶりで笑わせようとしましたが、みるみるうちに顔が青ざめていくので、ゆみこは心配になりました。
おばあちゃんはママの妹、真弓おばさんの家へ泊りがけで行っています。
パパはお仕事がいそがしくて、いっしょに来ていません。
ゆみこ一人で、おるすばんをすることになりました。
「やっぱり一人でおるすばんなんて、やだ」
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