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しばらくすると柱神さまは、あごをさすりながらたずねました。
「するとおまえは、オドロゲをだましたのか」
ゆみこは、「うん」と首を縦にふります。
「だって怖くて、がまん出来なかったんだもの。それにママやパパや赤ちゃんと、手もつなげないなんて。ぜったい、やだ」
「ははははは! ひーっ、ひっひ。ほーっ」
神さまは、火柱を吹き出しながら笑いました。
「なんて子だ! ゆみこ、おまえはチビで力もないくせに、化け物を手玉に取ったか。それどころか、わしまでだますとはな」
いっせいに打ち上げられた花火の音よりも大きな声のせいで、おじいちゃんの家は地震が起きたのかというほど、ゆれました。
「だまされた、だまされた。ふはははは」
お面の口から吹き出す炎は、龍のように部屋中をのたくります。
神さまと一緒になっておなかをかかえて笑いながら、ゆみこはとても心配になりました。
「柱神さま、家が燃えちゃう。それに化け物に聞こえちゃうよ」
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