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ゆみこが心配したとおり、オドロゲは柱神さまの声を聞きつけました。
わずか七歳の女の子にまんまとだまされ、笑い物にされたので、化け物は頭にきています。
「ゆるさんぞ、食ってやる」
おそろしい速さで舞い戻ってきたオドロゲは、ゆみこの後ろから、おおいかぶさるように襲いかかりました。
おもいっきり口を開いた化け物が、一口で頭を食いちぎろうとしたそのとき、ゆみこはくるりとふり向きました。
その顔にはまだ、柱神さまの面がかかっています。
「発!」
口から吹き出した青白い炎に焼かれ、オドロゲは声を出すひまもなく、灰も残さずに燃えつきてしまいました。
柱神さまは何事もなかったかのように、大きく口を開けて笑い出します。
ゆみこもお面と一緒に、あごが外れるほど口を開いて笑いました。
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