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おじいちゃんが帰ってきた時、ゆみこは掘りごたつの横で丸くなって眠っていました。
柱神さまと一緒に笑いすぎて、つかれきってしまったのです。
やさしく肩をゆすられて、ゆみこは目をさましました。
顔を上げると、穴の向こうからのぞき込むおじいちゃんの顔が見えました。
「なんじゃ、ゆみこ。柱神さまの面であそんでおったのか」
眉間にしわを寄せて、おじいちゃんが聞いてきます。
ゆみこはあわてて、かぶったままのお面を取ろうと手を伸ばしました。
ところが柱神さまは顔にくっついて、指を入れるすきまもありません。
ゆみこは顔にそって手を動かしましたが、木彫りの面のしわや、指でくりぬいたような目の穴にふれるだけです。
「神さま。ねえ、柱神さま」
呼びかけても、返事がありません。
ただの無表情で醜い面に戻ってしまったようです。
「神さま、くっついちゃってるよ。はなれて」
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