心を動かす風

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30ページ目。 あの日以来ぎこちなくなっていた二人の関係。 そんな矢先、クラスメートの剛士が玲にアプローチを始める。 最初は戸惑っていた玲も、優しい彼にじょじょに惹かれていく。 その様子に、少しずつイライラを募らせる信吾。 雨の日。学校の玄関でばったり会う玲と信吾。 傘を持っていない信吾がぼーっと空を見つめている。 傘を差し出す玲。しかし目は合わせない。 「途中まで……入ってく?」 「いいよ」 「でもこの後、雨やまないよ」 玲の言葉に黙り込む信吾。背伸びをして無理やり傘に信吾を入れる玲。 思わずそれを払いのける信吾。 転がる傘をじっと見つめる二人。 「誰にでも良い顔してんなよ。そういうことは剛士にやってやれ」 雨の中、走り出す信吾。 その場で泣き出す玲。
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