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世界に繋がる空
しばらく忙しい日が続いた。
ようやく陽太の家を訪れたのは、講義中に彼からメッセージが届いた日から10日後のことだった。
ピンポーン。
チャイムを鳴らした瞬間、少しだけ背筋が伸びた。
「今日行くね」
と前置きのメッセージを送った時、陽太が
「今日は、母さんいると思う」
と返してきたからだ。
お母さんがいた方が、すんなりドアが開いて良い。
でもやっぱり少し緊張してしまう。
「はい。どうぞ」
インターフォンの向こうから聞こえた声にペコリと頭を下げ、門をくぐると私はそっとドアを開けた。
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