世界に繋がる空

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「入るよー」 と言ってガチャリと部屋のドアを開けると、机の上のPCを見つめていた陽太はちらりとこちらを向いた後、再びそちらに視線を戻した。 ぐるりと部屋を見渡す。 「部屋……綺麗なまま」 ちゃんと約束守ってくれたんだ。 少しだけ弾む心でにんまり笑った私は、陽太の横に立ち 「何やってるの?」 とPCの画面を見つめた。 「アプリのメンテナンス」 「ほー……」 何だか難しそうだ。 「すごいね。私、編集部に言われてるSNSの更新ですら最近までてこずってた」 「ああいうのは、使いこなせるかどうかだけじゃなく変な気遣いもあるしな」 そう言ってカタカタとキーボードを鳴らす陽太は、私の話を軽く受け流している様子だった。
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