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私もいつかあの日のことを笑い飛ばしたい。
でもそんな日は来るんだろうか。
ぼーっと立ち尽くす私をちらりと見て、陽太は
「いつまで立ってるの?座れば?」
と声をかけた。
はっとなった私は、床に腰かけ、テーブルに二つペットボトルのお茶を置いた。
「何それ?」
「あー下でお母さんに渡された。自分は部屋に入れないからって」
その言葉に彼はふーんとうなずいた後
「普通に持ってくれば良いのに」
と声を漏らした。
私は意外な言葉に目をぱちくりさせた。
「陽太、それ言わないと伝わらない。ずっと部屋に入るの拒んでたんでしょ。急に気が変わっても、聞いてない方は部屋に入って良くなったなんて知らないんだから」
「それもそうか……」
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