世界に繋がる空

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納得したようにうなずいた後、彼は机から離れ、テーブルをはさんだ私の対面に座って、ペットボトルの蓋を開けた。 それにつられたように私がペットボトルの蓋を開けたのを確認すると、彼は傍の箱をガサゴソと漁り 「食べる?」 とあの飴の袋を取り出し、袋ごと私に差し出した。 「本当、好きだね。いったいどれだけあるの」 驚いたように言った私に 「ネットで箱買いしてる」 と当然のように言いながら、陽太は飴を頬張った。 「浮気とかしないの?飴だって他にもいろいろ種類あるのに」 「これが良いんだよ。冒険してがっかりしたくないんだ」 「うすうす気づいてたけど、陽太って石橋叩いて割るタイプでしょ?」 「はっ?それを言うなら石橋を叩いて渡るだろ?」 バカにしたようにそう言った陽太に、私はプルプルと首を振った。
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