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「割るタイプ。渡る前にダメになることばっかり考えて、石橋が割れるまで叩き続けるタイプ。考えてみたら中学の時も、みんなの輪の中心にいたけど、調子に乗って浮かれちゃうとか、そういうの全然なかったもんね」
「それで高校入ったら、見事に石橋割っちゃって、対岸に渡れなくておぼれた」
「そういう自虐いらない」
私は陽太の言葉をあえて冗談として受け止めた風を装い、飴玉を口に入れた。
「まぁ、確かに。この飴おいしいんだけどさ」
「だろ」
そう言ったっきり、しばらく静かな時間が流れた。
飴が小さく溶けていく間、私たちはただぼーっと時間を過ごした。
「あっ!」
しばらくして、思い出したようにそう言った私の顔を見て、陽太は首を傾げた。
「あのアプリ、日本語でも投稿できる?」
「あぁ、もちろん」
陽太の答えに私はふふっと笑いスマホの画面を触った。
「できた」
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