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私は陽太の隣にずっといた。
でもそれじゃ満足できなかった。
保証がほしかったんだ。彼の隣はいつでも私だという保障が。
他の女の子に取られないという保障が。
友達で満足できたらきっと、こんな風にはならなかったんだろう。
陽太も私も、もっと違う生き方をしていたかもしれない。
黙り込んだ私を見て、陽太は
「またなんか面倒くさいこと考えてる?なんか、あめ思慮深くなった?」
と言った。
「からかわないで」
私は笑顔でそう返した。
ダメだ。このままじゃどんどん暗いことばかり考えてしまう。
部屋の中から次の話題を見つけ出そうとキョロキョロ視線を動かした私は、近くに会った本棚で視線を止めた。
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