347人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうかした?」
「ちょっと、これ見ても良い?」
私が指さした雑誌を見て、陽太はコクリとうなずいた。
すっと本を引いて
「やっぱり」
この間、本屋で見かけた雑誌だ。
私は表紙を陽太の方に向けた。
「好きなの?」
表紙を飾る風吹くんの姿を指さすと、陽太は大きく首を振った。
「中に好きな映画監督が載ってた」
「えっ?陽太、映画とか見るの?」
「ずっと部屋の中にいるからな」
そう言って、陽太がPCを指さしたのを確認して、私はなるほどとうなずいた。
パラパラと雑誌をめくる。
数ページにわたる風吹くんのグラビアページを私は1ページずつめくった。
「好きなの?」
今度は陽太が聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!