347人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううん。友達なの」
そう答えつつ、私はインタビューページに視線を注いだ。
「へー……」
ぼんやりと聞こえた陽太の声を受け流し、文字を追う。
“日に日に演じることの楽しさを感じている”
“プロとしてやっている以上できないとは言いたくない”
“自由にやらせてもらっているけど、自分勝手な演技はしたくない”
「はー……やっぱりすごいな。風吹くんは」
そう言って私が、陽太の方に誌面を向けると彼はそのページを軽く読んで
「イケメンで、実力もあって、人気者か。すごい人だな」
と答えた。
「本当だよねー。でも、陽太だってイケメンだよ?」
「同じ天秤に乗せるなよ」
むきになって言った陽太の顔を見て私はクスクスと笑った。
「なんだろうな。風吹くんは、男の人にも受けるイケメンって感じがする。陽太は圧倒的に女の子が好きな顔。男子が嫉妬する対象でもある」
分析するように言った私に
「なんかそれ複雑だな」
と陽太は眉間にしわを寄せた。
最初のコメントを投稿しよう!