予兆を告げる雷

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予兆を告げる雷

思った矢先に事務所に迷惑をかけることになってしまっただろうか。 ドギマギと社長の顔とマネージャーの坂巻さんの顔を交互に見つめた私に、先に声を発したのは坂巻さんだった。 「いつから?」 いつから、とは何の話だろう。 誘導尋問みたいな質問は苦手だ。 坂巻さんの聞いている話と私が浮かべた話がまったくの別物だったら、無駄な痛手を負う事になる。 「何のことですか?」 おそるおそる聞いた私に、坂巻さんは自分のスマホの画面を見せた。 「そういえばこの間、バイト先に風吹とあめちゃんが来た。風吹イケメンだし、あめちゃん超かわいかった。あの二人付き合ってるのかな」 これか……。 思わず唇を噛んだ私に坂巻さんは 「で、どうなの?」 とため息まじりに聞いた。
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