予兆を告げる雷

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「自分のためにじゃなく、誰かのためにか……。なるほど。それなら私たちにもハードル低いね」 そう言った麻帆は 「私もやってみようかな」 とスマホを開いた。 「えっ!?」 「あっ……嫌?」 「いや、そんなことはないんだけど……」 陽太のことがばれそうなのが怖いだけ、とは言えるわけもなく私は 「登録したら友達申請してね」 と、いい加減な返しをしてこちらから自分の首をしめた。 「了解。あっ恵、これから時間ある?私、お腹すいちゃった。それに気づかれ始めた」 麻帆の言葉で周りを見渡すと、通行人たちの視線が私たちを次々に刺していった。 一人でいる時より、麻帆といる時の方が人の視線を多く集める気がする。 私より背が高くて、美人な麻帆はいつも大変だろうなと思う。 ふっと坂巻さんが言った、麻帆がこれまでオーディションに落ち続けた経緯を思い出した。 綺麗で得することばかりでもないか……。 「恵?どうかした?」 「あっ、ううん!平気。ごはん食べに行こう」 「うん。じゃあ、フォトプレはそこで登録する。何食べる?恵の好きなものでいいよ」 スマホをしまい、私を見つめた麻帆の目はやっぱり吸い込まれそうになるくらい綺麗だった。
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