予兆を告げる雷

19/31
前へ
/359ページ
次へ
「どこにいるの?」 その言葉に答えは返ってこなかった。 しびれを切らし荷物を抱えた私は、家の前の道を全速力で走った。 大学で時間ができたら会おうと言っていた麻帆には 「今日、大学休む」 と連絡をした。 時間差で 「さぼり?珍しい」 と返ってきた麻帆に 「ちょっと実家に行く用事ができて」 と答えると 「そっか!気を付けてね」 と笑顔のスタンプと共に返事がかえってきた。 そのメッセージを見た瞬間、少しだけ心が落ち着いた。 慌てるな、私。 スマホを閉じた私は、駅に着くなりタクシーに乗って陽太の家の傍を目的地として伝えた。
/359ページ

最初のコメントを投稿しよう!

347人が本棚に入れています
本棚に追加