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目まぐるしく時が過ぎていく中で私は麻帆と一緒のタイミングでティーン誌を卒業し、現在、再び同じ雑誌の看板モデルとして活動を続けている。
姉系モデルの“まほ”、妹系モデルの“あめ”。
比較対象にされることも多い私たちは、同世代の子たちには“まほあめ”と呼ばれ、今でも変わらない親友だ。
「あめちゃんはいつも暑い中笑顔で頑張ってくれて助かるよ」
「いえ!皆さんも頑張ってくださってるのに私だけ弱音吐いてられません」
「本当にあめちゃんは良い子だよね」
そんなことはない。
どちらかと言えば私は腹黒いタイプの人間だ。
あの時から、誰かを本気で信用したことはない。
可愛く、笑顔を向けていればそれだけでこんなにも愛されるなんて当時は知らなかった。
だから私は失敗して傷ついたんだ。
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