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「えっ?」
「明日、麻帆もオフ。絶対、大学に顔出すわ」
「はぁ……」
状況を分からず首を傾げた私を、坂巻さんは鈍いわねとでも言わんばかりに見つめた。
「あの子カンが良いから、あなたたちの空気で何かあるって察するわ」
「あっ……」
「仕方ない。今日、あの子に時間作ってもらって話すわ」
「あの私も一緒に……」
「ダメよ。あの子強がりなところあるから、あなたがいたらどうして良いか分からなくなるわ。悔しいなら悔しいって、泣きたいなら泣いた方が良いの」
私は麻帆にいつも慰めてもらう側で、彼女が泣きたい時は傍にいられないんだな。
それどころか、私が泣かせる原因になってしまうかもしれない。
落ち込む私を見て、坂巻さんはポンッと私の肩を叩いた。
「大丈夫よ。恵より私の方が麻帆との付き合いは短いけど、私には大人の経験値があるんだから」
と胸を張った。
「経験値……?」
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