彼のち、引きこもり。ところによりにわか飴

降り注ぐ雨のように

「起きてる？」
そう届いたメッセージに即座に返事をした。
「起きてる」
「坂巻さんに聞いた。映画出演の件。おめでとう」
その言葉がチクリと胸にささった。
「ありがとう。ずっと言えなくてごめんね」
「仕方ないよ。いろいろ事情もあるんでしょ」
麻帆を思ってのことだったとは言えなかった。
何だかプライドを傷つけてしまうような気がしたからだ。

「そうなの。これからあんまり遊べなくなっちゃうと思うんだけど……」
「また、落ち着いたら遊ぼう。がんばって(^^)」
麻帆が顔文字を使ってきたことが、いったいこれまで何度あっただろう。
強がっているんだ。