嵐の前ぶれ

9/15

347人が本棚に入れています
本棚に追加
/359ページ
撮影を終えるころ、辺りはオレンジの光に染まっていた。 「撮影以上です。お疲れ様でしたー」 「あめちゃん、タクシー呼ぼうか?」 「いえ。今日はこの後、近くで麻帆に会うんで大丈夫です」 「本当に仲良いね。じゃあお疲れ様。気を付けて」 「お疲れ様でしたー」 傍で仕事をしているスタッフたちに頭を下げ、私は急いで傍のカフェへ走った。 「麻帆、ごめーん」 タブレットをいじっていた麻帆は私の声に反応し 「おそーい」 と言うと、パタリとそれを閉じた。 「何やってたの?」 「レポート。提出しないと単位もらえないよ。ちゃんとやった?」 「あーそれね……行き詰ってる」
/359ページ

最初のコメントを投稿しよう!

347人が本棚に入れています
本棚に追加