降り注ぐ雨のように

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「風吹くん、何か飲む?」 空気をかえようと話を変えた私に 「えっ、いいよ。自分で買うから」 と風吹くんは、慌てたように言った。 「ううん。この間、おごってもらったから」 「……そう?じゃあ遠慮なく、またミルクティーで」 「了解!」 なるべく二人にする時間を減らそうと、慌てて会計を済ませ、ミルクティーをもって席に戻ると、既に麻帆は少しご立腹の様子だった。 「どうしたの?」 風吹くんにミルクティーを渡しながらそう言った私に麻帆は 「別に何でもない」 と口を尖らせた。 「ミルクティーをおごり合うとか、二人の秘密の会話みたいで嫌だってさ」 「ちょっと!言わないでよ」 風吹くんの言葉に麻帆は彼の肩を軽く叩いた。
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