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雲間から見える光
「で、なんで俺のところきたんだよ」
大学を出た勢いで、陽太の元を訪れた私は今日起こった出来事をまくしたてるように伝えた後、彼のベッドの端に顔を突っ伏した。
「いや、なんていうか。一人で抱えられなくて」
「……来るところ間違ってない?」
「だって私、麻帆しか友達いないんだもん!」
そう言って顔を上げた私に陽太は
「そんなこと、堂々と言うなよ」
と苦笑いを浮かべた。
前回来た時よりだいぶ傷もよくなった陽太は、少し表情が豊かになった気がする。
「言っただろ。何かあったら麻帆を選べって。俺にストーカーされてるとか、脅されてるとかテキトーなこと言って俺と絶縁すれば少しはましな状況になったかもしれないのに」
「そんなことできるわけないでしょ。麻帆にも嘘つくことになるし、陽太を犯罪者みたいに言いたくないし」
「そういうところ、真面目なのな」
呆れたように言った彼は、
「で、どうするんだよ」
と続けた。
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