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4年前の夏。
中学3年だった私は、残り少ない中学生活をより有意義に過ごす方法を考えた。
同じクラスの晴山陽太。
3年間同じクラスだった彼は、私にとって唯一の男友達だった。
スポーツ万能で顔も良く、女子にもモテていた彼は、女友達もちらほらといる様子だったけれど、隣はいつも私の定位置だった。
学校から帰るのもいつも一緒。
「付き合っているの?」
と聞かれれば
「そんなわけないじゃん」
と言いつつ、どこかで“いずれは”と思っている自分がいた。
きっと彼もそうだ。
何人もの女子に告白されても彼は一度たりともOKの返事を出したことがない。
それは私がいるからだ。
愚かにも本気でそう思っていた。
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