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「みんな都合が良いなって思ってさ。ちょっと前の私なら、“どうだ!私はこんな人気者になったぞー”なんて堂々と皆に会いに行ってたかもしれないけど。今となっては、あの時の同級生とかどうでもよくなっちゃって」
ため息交じりにそう言った私を嬉しそうに見つめ、麻帆は
「恵、強くなったね」
と声を弾ませた。
「そんなことないよ」
照れた私に、麻帆は思い出したかのように言葉を続けた。
「そう言えば、幹事の子が言ってたんだけど晴山陽太さ」
そのフレーズに私はドキッと心臓が高鳴った。
頭の片隅に浮かんではいたものの、はっきりと言葉で聞くと緊張が走る。
陽太がどうしたんだろうか。
彼女ができた?いや、まさか結婚した?
それとも何だかすごい功績をあげたり……。
「うん」
おそるおそる返したその言葉に麻帆は一言
「引きこもりになったらしいよ」
という言葉を投げ返してきた。
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