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そんなうぬぼれから私は、彼に告白をしようと決意をした。
中3の夏と言えば、受験勉強にも力を入れなくてはいけない時期だ。
頻繁に友達と遊ぶとか、夏休みにわいわいどこかに出かけるとか、そんなことをする暇はなくなってしまうだろう。
必然的に陽太と過ごす時間も減ってしまう。
でも、どんなに勉強ばかりの日々にも、たまの息抜きは必要だ。
じゃあそんな時、誰に一番最初に声をかけるか。
きっとそれは彼女だ。
そうだ、彼女になれば良いのだ。
今考えれば、何て短絡的な発想だと思うが、4年前の私はそれを本気の名案だと思い込んでいた。
簡単だ。告白さえすればいいのだから。
そう考えた勢いのまま、私は夏休みのちょうど1週間前の日、彼を裏庭に呼び出した。
学校の裏庭に陽太を呼び出すと、彼は汗を拭いながら
「あっちぃ」
とシャツをパタパタ揺らした。
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