陽のあたる方へ

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「私、モデルになったんだ」 その言葉に中から反応があったような気がして、ドアに頭を寄せてみたけれど何もリアクションは返ってこなかった。 「驚いたでしょ?私がモデルとか想像つかないでしょ。でも私、がんばったんだ。最初は陽太たちを見返したいって気持ちで。でも今は……」 そこまで話したところで、ドアの傍に人の寄る気配を感じ私は言葉を止めた。 一度ドアから体を離してみたものの、ドアが開く気配はなく、私は再びドアにもたれかかり話を続けた。 「今は、仕事の楽しさも分かってきて、大学にも通って。少しずつ自分の進みたい道を見つけられそうなの」 陽太はいつもそっち側にいると思っていた。 どんな時も自分の進みたい道をまっすぐ進める人。 「ねぇ、陽太……。いったい何があったの?」 そう私が聞いたとたん、 「っるさい!!!」 と声が聞こえ私はびくっと体を揺らした。 「陽太?」 「うるさい!帰れっ!」
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