陽のあたる方へ

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シャッ……。 勢いよく開けたカーテンから光が差し込んだの確認した後、彼を見ると、陽太はまぶしそうに目を細めた後、ぱちぱちと瞬きをした。 「前髪がなくなったからよく見えるでしょ」 先ほど、勢いに任せてきった髪が広がるベッドをちらりと見つめた私の言葉に、陽太はため息をつき、おでこをこするように触った。 「外の世界はこんなに明るい。私たちがどんなに闇にいる気になってもね。壁のたった1枚向こう側は、こんなに明るい世界なの。越えられる。陽太なら、絶対」 かつて自分に何度も言い聞かせてきた言葉だ。 私はいつか越える。 私をバカにしてきた人たちも、そんな人たちに人生を左右されそうになる弱い私も。 全部越えて、私は誰よりも幸せになる。 今、同じ思いを陽太にも抱いてほしかった。 誰よりも幸せになって、もう一度私の大きな壁になって。 ただそれだけの想いで私は陽太を見つめた。
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