陽のあたる方へ

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パラパラと落ちる髪が私の中に残る悲しい記憶も一緒にそぎ落としていってくれるような気がした。 振られてから卒業するまで、ほぼ会話も交わさなかった陽太との時間が、まるでそれ以前に戻ったかのように穏やかに感じられた。 「どこまで知ってる?」 「えっ?」 「俺のこと」 「あぁ……人殴って退学になったって」 私が半ば信じてない様子でそういうと、彼はそれを鼻で笑い 「あいつ、そんな風に言ってまわってるのか」 と呆れたようにもらした。 「違うの?」 「殴ったのは本当。退学は嘘、自分で辞めた」 今日はどんどん、予想外の情報が更新されていく。唖然とする私の様子に気づいてか陽太は自らこれまでの話を始めた。
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