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胸が張りさえるようなあの日の記憶は今でも思い出すだけで苦しい。
応援団だったセミたちはいっきに敵へと変わり、じわりと流れる汗は、すべて冷や汗だったようにも思う。
そこから卒業するまでの日々は思い出したくもない。
「天野、陽太に告白して振られたらしいぜ」
「まじ?うわー勘違いもいいとこじゃね?」
男子たちがこれ見よがしに言う声は、そうでなくても傷ついている私の心を何度も何度も切りつけた。
「っていうか、陽太、あいつのこと女だなんて思ってないだろ」
その言葉が一番強く私の心に突き刺さった。
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