陽のあたる方へ

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自宅に帰るまで彼は一言も、母親と会話を交わさなかった。 その日、家に帰ってきた父は 「3日間の停学か。まぁ、それくらいなら単位にも影響でないし良いだろう。それにしてもお前にはがっかりさせられたよ」 と陽太に声をかけたきり、書斎にこもってしまった。 その時、陽太は自分の中のいいようのない怒りとみじめさで頭がどうにかなってしまうんじゃないかと思った。 3日間はただぼーっと部屋の中で過ごした。 何もしたいと思わなかった。 誰も信じられないと思った。 3日の時が経った時、彼はもう部屋から出ることすらできなくなっていた。 そして陽太はそのまま学校を退学する道を選んだ。
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