雨色のキャンディー

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おそるおそる門を開きドアの前に立ち、ドアノブに触れると、カチャっとドアが開いた。 えっ?鍵しめてないの?不用心……。 恐る恐る中に入った後、私は階段をのぼり、勝手に陽太の部屋を開け中に入った。 「お前、何回チャイム鳴らすんだよ」 「陽太がすぐに出てきてくれないからでしょ」 「だったら諦めろよ」 ため息をついた陽太の顔を見て私ははっとなった。 先ほどは気づかなかったけど、ひげを剃っているようだ。 思わずにんまりと笑い 「いいじゃん」 と自分の頬をつついた私を見て、彼ははっとしたように顔を赤くした。 「別に、この髪型とひげが合わなかったから」 「ふーん……」 少しだけ前向きになっているってことだろうか。 嬉しさでついにやける私を見て陽太はそれに気づいていないとでもいうように目を逸らした。
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