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私を振った後も彼は相変わらず平然としてニコニコと毎日を過ごしていた。
これまで私がいないとダメに違いないと思っていた彼の生活はあまりに充実して見え、まるで私など彼の人生の記憶に最初からいなかったのではないか、と思えるほどだった。
彼の周りにはいつも人がいて、変わらず太陽のようにまぶしかった。
一方の私は、あれ以来、男子からからかいの的となった。
何かあると男子は私にひどい言葉を浴びせかけ
「鏡見ろよ」
なんていわれた日には、思わず涙がこぼれたりもした。
その涙は決して女の武器などにはならず、
「わーあめが泣いたぞ!雨降った~!」
なんて言われた私は、負けん気の強さから思わずその子を突き飛ばしたりもした。
「あめって呼ぶな!」
思わず張り上げた声は、ますますからかいの対象になる。
抜け出せない無限ループはまるで地獄のようだった。
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