雨色のキャンディー

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「だから俺、自分のことを好きだって言う女の人が、本当に嫌いだった。っていうか怖かったんだ」 その中には私も含まれる。そう悟った上で、私はそれを理解したようにうなずいた。 「うちの親もあんなに罵られて、苦しそうなのに、なんでみんなそんな風になりたがるんだろうって。赤い糸だとか、ラブラブとか……俺には異世界の言葉で、正直気持ち悪いって思ってた」 面と向かってそう言われると辛い。 唇をかみしめた私に陽太は 「でも、あめは違うって思ってた」 と少しだけ穏やかな声を向けた。 「えっ?」 「お前は少し男っぽかっただろ。だから女の子ってより、友達として好きって気持ちが大きくてさ。すごい楽だったんだ。だから、告白された時は何というか……すごい戸惑った。あぁ、もう前みたいに友達ではいられなくなるんだなとも思ったし、あめですらうちの母親みたいになりたいのかって。女ってわかんねーって」 私は目をぱちくりさせて陽太を見つめた。
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