彼のち、引きこもり。ところによりにわか飴

太陽のような人

その様子を、陽太はいつも見ているだけ。

あー私、何て見る目ないんだろう。
もうきっと人なんて一生好きになれないな。
でも、見返してやる。
絶対絶対、私をバカにした奴らより幸せになって全員を見返してやる。

この4年、たったそれだけが人生の原動力だった。

そして
「ずいぶんくだらないことが好きなのね。暇なのかしら」
「人を見下さないと自分の価値を見出せないなんてかわいそうに」
と、冷静かつ大胆に男子たちを一蹴してくれたのが現在、私が唯一親友と呼べる麻帆だ。

つやのある黒髪に色白の肌。きりっとした瞳、つんっとした鼻、そしてプルプルの唇。
誰もが見惚れ一目置かれる彼女の言葉は、男子の耳をカッと熱くさせ、一瞬で黙らせる力を持っていた。
私がこの4年で大きく変わったのは彼女の影響も大きい。
彼女がいるから今、私はここに立っていられるのだ。