雨色のキャンディー

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「終わったー!!」 部屋の端に積み重なったゴミ袋を見つめ、私は清々しい気持ちになっていた。 「あめ、本当容赦ないな」 不安げにゴミ袋を見つめる陽太の背中をポンッと叩き 「大丈夫、大丈夫!必要なものはまた買えばいいんだから」 というと 「そう言うところ、変わってないよな……」 と陽太の鋭い視線が刺さるようだった。 「そう言えば陽太、結構本とか読むんだね。最近の本もあって驚いた」 「あぁ、今は何でもネットで買えるから」 「お金はどうしてるの。お小遣い?」 「……元々は。でも、高校辞めてからはそれまでのお小遣い元手に運用したり、アプリ作ったりしてるから」 「運用???アプリを作る???」 言葉を初めて聞いた子供のような反応をした私を見ても表情一つ変えることなく 「だから別に家から出なくても苦じゃなかった」 と言った。
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