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見たところ、芦田拓真は華より2,3歳下のようだ。
時折、目を細めて華を見つめるが、視線を合わせるとすっ、と下を向く。
口数は多いが、何に向かってしゃべっているかよくわからない・・・タイプ。
話は、華が下手の横好きで書いている水彩画の話に集中する。
「ああっ!せっかくの機会だし、華さんの絵、是非拝見したいです!
もう見ることができたら死んでもいいっ!」
「もう・・・大げさな方ね(笑)
じゃ・・・本当にちょっとだけよ?
私が住んでいるのは女性専用のマンションですからね、周囲に見つかったら追い出されちゃう・・・解るわよね?」
「はい、大丈夫ですよ、約束は守ります!
絵を拝見したらすぐに退散します!
むやみに大声も出しませんっ!
何てったってあなたを守った男ですから・・・はい」
少し真剣な眼差しで、拓真は華の目を見つめる。
「じゃ、少し歩きますが・・・」
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