プロローグ

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 頭の上で聞こえた低くて甘いその声は、涼の涙を誘うのに十分優しすぎる声音だった。堰を切ったように背中を震わせながら幾筋にもなって流れる涙を、時々拭いながら薫はいつまでも涼の傍に座っていた。
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