風嬢ってさー

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私はさ、お水はホント向かなかったんだよね。 「もちろん、私もその気がない訳じゃないのよ?でもね、今日は、ホントにだめなのー」 そんな見え透いた嘘を満面の笑顔や困りきった顔で、白々しくなんて言えなくて。 「いやいや、お客さんはお客さんやし。あなたは、すごく良い人だと思うんだけど、やっぱりどこまで行っても『良いお客さん』にしか思えなくて、それ以上には決して進めないんだなー」 なんて、ハッキリ言っちゃうから、当然普通は、自分に落ちそうにもない女には、金は落とさんのよ。 で、そんな気を含ませた事を言ってると、どんどん自分の首を絞める事になるのよね。 その先まで上手く躱せる自信もないし。 それなら、もう、一発なんぼの風俗の世界のほうが、私にはスッキリしてて良いよなーなんて思ったりする。
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