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『この人』のさよならまで
この人は生まれました。産声が元気な赤ちゃんです。
この人は赤ちゃんで、まだ世の中を知らず希望に満ちています。
初めてお母さんに会いました。でも、視界が悪くてお顔は見えません。この人は温かいということとが分かりました。そして抱き締めてくれたお母さんを敵ではないと思いました。
次にお父さんがきました。その人のことも視界が悪くてお顔は見えません。でも、温かいこと、抱き締めてくれたことで敵ではないことが分かりました。
一度その温もりから離され、ビックリしてまた泣きました。しかし、また他の温かい人が抱き抱えてくれています。赤ちゃんは安心して眠りにつきました。
この人は無事にすくすく育ち、1歳になりました。お母さんとお父さんがだんだん分かるようになってきました。美味しいご飯をお母さんは食べさせてくれます。この人は優しいお母さんが大好きです。
この人は2歳になりました。もう色んなとこへ行ける気がしました。ずんずん歩くと何故か倒れ、痛みが走りました。とても痛かったこの人は泣きました。お父さんが抱き上げて「大丈夫だよ」と言ってくれます。この人は安心しました。
この人は3歳になりました。保育園に入ります。この人はいつも泣いていました。家族が大好きだったからです。家に帰ると幸せでたまりませんでした。
この人は4歳になりました。弟ができました。この人は弟に大好きなお父さんとお母さんが取られるのではないかと思い、弟にいたずらをしました。お父さんが怒りました。この人はお父さんが怖くて泣きました。しかし、大丈夫だよと言ってくれる訳ではありませんでした。
この人は5歳になりました。お友達もできて保育園は楽しい場所になりました。お友達と遊んだ保育園の夏祭りの絵を描いたところ、賞を取りました。皆は凄いと言ってくれたので、この人は誇らしく思いました。
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