スターリー

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スターリー

こちらとあちらの世界を結ぶ扉はいくつかある。 スターリーをあちらの世界に送り出し、彼女から乗り物をこちらへと送ってもらう。 届いた乗り物は二つの車輪、小さな腰掛け部分に、横に伸びた取っての付いた自転車という乗り物だった。 足を乗せる部分を回せば前に進む。 彼はこれに乗ることができる。聞かずともわたしには分かるのだ。 次に赤子に必要なもの。 これは便利よ、と送ってくれたのは紙製のオムツだった。 スターリーはあちらの世界で難なく住まいと仕事を見つけ、今ではあちらの暮らしを気に入ってさえいる。 臆病なわたしと違って、彼女はどこへ行っても生きていける。 キャロルにもそういう人になって欲しいと思う。 最後に彼とスターリーを繋ぐための携帯電話という道具が送られてきた。 なるべく家から離れた扉のある場所へそれを置いてくる役目は、ユニの弟であるルートヴィヒが引き受けてくれる。 準備は整った。 彼を迎えに行こう。 きっと一目でわたしは恋に落ちる。
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