死ぬほど愛してる続3

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入ってきたのはたくやんこと、宅島拓斗。俺と爽がまだ両片思い時代にいち早くそれに気づき、俺達を恋人にしてくれたまさに恩人。本人も飄々とした性格と渋谷を歩けばスカウトチケットを何枚かもらってくる顔のせいで持てるのだが、生憎彼は小4から好きな子がいるそうで、浮ついた話は一切聞かない。誠実な男だと思う。    「ほんまおひさ~やな!も~百年離れた気分やわ~。」  この関西弁は親譲りのものらしい。昔語ってくれた。  「ごめんね。なかなか行けなくて。」  「いいよいいよ!稜の事好きすぎる俺が悪い!」    まぁ、冗談は多めだがこのテンションは別に嫌いではなかった。むしろ好きな方。暫くなんでもないような普段の会話をしていたが、15分くらい経った頃たくやんが爽に話しかけた。      「なぁ、稜とは二人っきりにしてくれへん?」      その発言にものすごく嫌そうな顔をしながらも部屋を出ていく爽。そんなにたくやんのこと嫌いなのかな。
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