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「さーてと！」
けれどもたくやんの声で意識が戻される。
「本当に爽のやっちゃ愛されてんなー」
「そりゃあ、まぁ、恋人だし？」
多分俺の思い過ごしじゃなかったらの話だけど。
「やーめーてー。たっくん惚気はいらんねん！」
惚気違うよ。
「でも驚きやわ。二人して被って休むからなんかあったんやなとは思ってたけど今日当行してきた爽のやつ俺に『なぁ、稜は？』って聞いてくんねんで！演技うますぎか！」
学校では俺のことを単なる欠席だもんな。
「のわりにはやで？俺が詳しく問い詰めたら家こいゆーから行ったら稜おるし。頭飛んでったわ。」
笑いながら頭をかくたくやん。
「頭は飛んでいかないよ。」
そのノリに俺も少し笑う。たくやんはそのことも目ざとく目付け嬉しそうに笑う。
「あ、わろた！」
って。たくやんはその後も何も詳しいことは聞いてこなかった。きっと好奇心旺盛なたくやんのことだ。聞きたいこといっぱいあるに違いない。けれど、そんな俺の不安もたくやんは感じ取ったようで。
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