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「お前何も悪くないよ。稜は何もわろうことしてない。もしも、みんなが自分のせいでって考えてるならその考えこそがみんなを苦しめんねん。みんなはよー稜のとびきりの笑顔みたいねん。だから多少の無理も平気でする。まぁ、俺もな、爽もな、他の奴らだってそうやで。」
そういってたくやんは恥ずかしそうに頭を掻きながらそれでもきっぱりと俺に告げるのだ。
『みんな稜の事愛してんねん。』
その言葉を聞いた瞬間俺の心にかかっていた靄が晴れた気がした。そうか。俺は誰かに愛されているのかもわからなかったんだ。ずっとずっと自分が悪いって考えてみんなが本当に心から心配してくれてるのに気づいてるふりしてみないようにして、逃げていたんだ。怖かったから。今度こそ拒絶されるかも思ったら部屋から出られなかった。でも、でも!
そのまま足早に出ていったたくやんのことを追いかける。お礼が言いたい。気づかせてくれたこと。小4の頃路地裏でたくやんと会ってからいろんなことがあった。ずっとずっと友達で爽との事ふざけながらも真剣に考えてくれて。実らないって思ってた思いがかなったときたくやんにありがとうって伝えたくても結局伝えることができないまま有耶無耶になって。だから!今度は!
俺は走る
あれだけ怖がって拒絶していたドアをも乱暴に開けて。
外に出る。
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