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外に出れば、どこか誇らしそうな顔をしたたくやんと驚いた顔で此方を見つめる爽がいて。
「たくやん!今まで今までたくさんありがとう!」
想いにならない思いが溢れる。勢いのまま抱きついた俺を軽く受け止めるたくやんは昔とは違ってもうオトナの男って感じだった。後ろから慌てた声がするがよく聞こえない。
そのままでいて何分が経ったのだろう。ふとたくやんから引き剥がされる。困惑の表情を浮かべる俺にたくやんはもう一度強く抱きしめると俺をくるりと方向転換させた。何日もちゃんとした固形物を食べてない俺は想像異常に軽かったらしく背後でかるっ、と驚かれた。
「一番お礼言わなきゃなのはあっちでしょーが。」
俺の耳元で囁くたくやん。あぁ、今のたくやん絶対悪い顔してる。それでも軽く押された背中はふらりといとも簡単に爽のほうへなだれ込む。
「爽…。」
「稜…。」
温かい体温。この体温、恋しい人の愛する人の体温。
「あ、の、ね…、」
ずっと支えてくれて
ずっと守ってくれて
ずっとそばにいてくれて
ずっと戦ってくれて
ずっと想ってくれて
ずっと信じてくれて
「ありがとう。愛してます。」
俺の最大級の笑顔をお前にやるからどうかどうか…。
「こちらこそ。おかえり、」
『死ぬほど愛してる』
君の最大級の笑顔で俺を照らして
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