4人が本棚に入れています
本棚に追加
突如急にドアノブが下に押され、俺の手はすてんと空振る。
「ただ…え？」
勝手にドアが開けられて外から彼が帰ってくる。ドアの前に立つ俺に彼も驚きの声を上げた。なんとなく恥ずかしくて目を逸らす。
しかしその様子から合点がいったらしい。
「外に出ようとしたんだよね？怖がらなくて大丈夫。」
優しく包んでくれる感触、撫でられる頭。
彼のすべてがここにあるといったようなそんな感覚。暫く俺は爽に身を委ねてきたが、ふと見知った声を聞いた気がして周りを探す。そのうち、爽も俺の共同不審に気づいたのか何かを思い出したように慌てる。
「り、稜！ええとだな、今日は友達がきてて。」
あまり気乗りしない友達なのか？そんなことを思っているとドアが今度はけたたましく開いた。
「やっほー。」
「た、たくやん？！」
最初のコメントを投稿しよう！